テクノロジーが日常を変えていくのを実感する日々

先日久しぶりに映画館に行ったら、思いのほか自分が Netflix や Hulu みたいなオンデマンドの映画配信に慣れていることに気がついた。

 

はじめて Netflix で映画をみたときは、夜、まだ寝たくないけど本を読むには頭が少し疲れていて、でももう少し何かしたいなと思って、8インチくらいの小さなタブレットを手に、ベッドでごろごろしながら、暗い部屋のなかで、小さなベッドサイドのライトだけをつけて her をみたんだけど、そんなプライベートな場所でみる映画は映画館と対立するというより、むしろ自分の部屋に小さな映画館がやって来たような特別感と本当にいつでもどこでもすぐにみれる身近さが同居していてすごくいいなと思った。

 

その体験のせいか、久しぶりに行った映画館は、他のお客さんが出すゴソゴソバッグの中を探る音とか、ぱりぱり何か食べる音とか、食べ物やいろんな人の体臭や靴と服の汚れが混ざりあった臭いとか、自宅のベッドやソファに比べてずっと狭くて堅い椅子とか、映画館へ向かう電車がけっこう長くてしかも混んでて着いた頃にはすでに少し疲労を感じてることとか、そのうえ上映時間までどこかで時間を潰さなきゃいけないこととか、いろんなことをとても不便に非効率に感じて、ああ自分の感覚は映画館で映画を見るというシステムをもう昔のものだと思っているんだなと思った。

 

ふかふかの座席がある、静かな、いい香りの部屋で、好きなお茶かコーヒーでも淹れて、いろんな儀式(上映時間まで時間を潰すとか)をすっとばして、最高の作品をさくっと召喚できるというある時代からみれば魔法みたいな技術を手に入れた今となっては、ずいぶん粗っぽいことをしていたんだなあという気すらしてしまう。

 

いまは新作映画は必然的に映画館へ行くという選択肢になるけど、もし新作上映も Netflix でやるようになったら、自分は映画館に行かなくなるんじゃないかな。

 

実際のところは Netflix や Hulu ばかりでは観れる作品数が物凄く限定されてしまうので、逆に不便だけどより品揃えのよい TSUTAYA レンタルや、高くつくけどレンタルにないほどマイナーな作品は Amazon で購入するなど組み合わせていくことに当分はなりそう。

 

ちなみにこのとき映画館でみた映画は『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)で、特に動機がなければおすすめしたいわけじゃないけど、自分はSFのなかの近未来都市の風景をみるのが好きなのでたのしかった。

個人的な見どころは、巨大看板のかわりに高層ビルレベルの高さがある巨大ホログラム広告が跋扈する未来都市の様子。

 

そういえば、映画館がなくなってみんながパーソナルなスクリーン上とか、あるいは cluster みたいなVR空間のなかで映画をみるようになるんだっていうような、映画館を置き換えるものについて近未来観をもった映画ってみたことがない気がする。

 

テクノワール系の映画をみるとよくブレードランナー(1982)の映像と比べたくなるので(非CG SF 最後の時代の作品で、寧ろ著名な工業デザイナーが美術をやっていて超豪華)、家に帰って Netflix で検索したけど、なかった。

往年の名作的な作品をオンデマンドでみたいときはどうするのがよいのか。今のところ Youtube や DailyMotion などで偶々ひろえることがあるくらいしか知らない。